佐野市葛生化石館で単弓類いっぱい見てきた

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金曜から東京に来ていたので、ついでに栃木県まで足を伸ばして佐野市葛生化石館に行ってきた。

わかってたけどやっぱ遠いね。東京に来たついでとかで気軽に行くにはちょっと厳しい距離だった。まあそういうのしょっちゅうだし、普通に行くんだけど。

葛生地域には、日本では珍しくペルム紀の地層があるらしく、その関係でペルム紀の古生物の展示が中心というなかなか変わった構成。

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というわけで、ペルム紀の展示で一番場所をとって、どどんと展示されているのはイノストランケビア。「ペルム紀の単弓類の全身骨格を何か一体展示しよう」って意図の時、大抵の博物館はディメトロドンあたりを展示する印象がありますが、このイノストランケビアというチョイスは非常にマニアックで良いなと思いました。

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同じくペルム紀の生物ということで、無弓類のスクトサウルスの全身骨格も。

恐竜が一体もいなくて、単弓類や無弓類がメインを張ってるというのは、葛生地域の特色がしっかり出ていて好きです。

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新生代の化石も沢山出ているとのことで、更新世動物化石がみっしり詰まったブロックなんかがそのまま展示されていたりも。

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ニッポンサイの幼体化石の産状。綺麗にほぼ全身がそのまま出てきたんだなー。

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そしてそのニッポンサイ幼体の組み立て骨格。

他にも、葛生地域は石灰岩が分布しているため、世界中の石灰岩を大量に集めて陳列していたり、とにかく地域性のしっかり出た展示の博物館でした。

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さらに現在は『単弓類ってしってる?』という企画展も開催中。色んな単弓類が展示されていました。これは常設展示にはいないディメトロドン。

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こちらは同じくディメトロドンの幼体化石。レプリカだけどこれ凄いね。見たことなかったけど、有名な化石なのかな……。

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ペルム紀の陸生動物としては最大級の単弓類コティロリンクス。胴体のでかさと頭の小ささのあまりのアンバランスっぷりが凄い。

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これはエンナトサウルス。小さくて可愛い。

他にも、古生物復元模型作家である徳川広和さんによる単弓類の復元模型も沢山展示されていて、ある種徳川さんの作品展的な趣もあったり。

佐野市葛生化石館の常設展と、企画展『単弓類ってしってる?』の詳しい紹介は後日 Pangea Note にアップ予定。

2014.08.06追記
常設展示の紹介記事を Pangea Note にアップしました⇒ ペルム紀の化石展示が充実した珍しい化石専門の博物館。佐野市葛生化石館 | Pangea Note - パンゲア・ノート
企画展の紹介記事も Pangea Note にアップしました⇒ 我々哺乳類の祖先、単弓類を取り上げたレアな企画展『単弓類ってしってる?』 | Pangea Note - パンゲア・ノート

 

それと、今日は葛生化石館で古生物学者の平山先生による「単弓類:恐竜以前に栄えた動物たち」という講演もあり、こちらもしっかり聞いてきました。

本を読んだりしたらそれなりに知識は増えるけど、実際の研究者の方の生の見解をその場で聞けるというのに勝るものはないなーと改めて実感。非常に勉強になりました。

講演中や講演の後には、大量の標本を触らせてもらえたり、レアな実物化石を至近距離で見せてもらえたりと、貴重な経験ができました。

哺乳類も単弓類なので、昨日の科博の太古の哺乳類展といい、二日連続でみっちり単弓類を堪能した感じですな。良い関東遠征でした。

帰路の、栃木⇒東京⇒京都⇒奈良の移動はマジしんどかったけど。